cpp-httplib v0.58.0
DRAFT

W06. タイムアウトを設定する

ws::WebSocketClientにはClientと同じ3種類のタイムアウトがあり、意味も同じです。

種類APIデフォルト
接続タイムアウトset_connection_timeout300秒
読み取りタイムアウトset_read_timeoutなし。無期限に待つ(CPPHTTPLIB_WEBSOCKET_CLIENT_READ_TIMEOUT_SECOND)
書き込みタイムアウトset_write_timeout5秒

基本の使い方

httplib::ws::WebSocketClient ws("ws://localhost:8080/ws");

ws.set_connection_timeout(5, 0);  // 5秒
ws.set_read_timeout(30, 0);       // 30秒
ws.set_write_timeout(10, 0);      // 10秒

if (ws.connect()) {
  ws.send("hello");
}
httplib::ws::WebSocketClient ws("ws://localhost:8080/ws");

ws.set_connection_timeout(5, 0);  // 5秒
ws.set_read_timeout(30, 0);       // 30秒
ws.set_write_timeout(10, 0);      // 10秒

if (ws.connect()) {
  ws.send("hello");
}

接続タイムアウトと書き込みタイムアウトはconnect()を呼ぶ前に設定してください。読み取りタイムアウトはいつでも変更でき、接続済みの状態で設定した場合は次のread()から効きます。

std::chronoで指定する

Clientと同じく、std::chronoの期間を直接渡すオーバーロードもあります。

using namespace std::chrono_literals;

ws.set_connection_timeout(5s);
ws.set_read_timeout(30s);
ws.set_write_timeout(10s);
using namespace std::chrono_literals;

ws.set_connection_timeout(5s);
ws.set_read_timeout(30s);
ws.set_write_timeout(10s);

読み取りタイムアウトの意味

set_read_timeout()は「1回のread()呼び出し」に対するタイムアウトです。メッセージが届かないまま指定時間が経過するとread()はReadResult::Timeoutを返します。このとき接続は開いたままで、1バイトも読み進めていないので、そのまま送信して読み直せます。接続が失われたことを意味するReadResult::Failとはここが違います。

1本の接続を1つのスレッドで双方向に扱えるのはこのためです。

using namespace std::chrono_literals;

ws.set_read_timeout(100ms);
std::string msg;
while (ws.is_open()) {
  auto r = ws.read(msg);
  if (r == httplib::ws::Timeout) {
    flush_outgoing(ws);  // 何も届いていない。溜まっている分を送る
    continue;
  }
  if (r == httplib::ws::Fail) { break; }
  handle(msg);
}
using namespace std::chrono_literals;

ws.set_read_timeout(100ms);
std::string msg;
while (ws.is_open()) {
  auto r = ws.read(msg);
  if (r == httplib::ws::Timeout) {
    flush_outgoing(ws);  // 何も届いていない。溜まっている分を送る
    continue;
  }
  if (r == httplib::ws::Fail) { break; }
  handle(msg);
}

読み取りタイムアウトを設定しないとread()はメッセージが届くまで戻らないので、接続を持っているスレッドは送信に手が回りません。

Timeoutについて2点あります。

  • msgは書き換えられません。値も0以外なので、読み取りタイムアウトを設定した状態でwhile (ws.read(msg))と書くと、前回のメッセージがmsgに残ったままループが回り続けます。
  • 報告されるのはメッセージの境界だけです。分割されたメッセージの途中でタイムアウトした場合、そのメッセージは再開できないのでread()はFailを返します。

通知の待受のように長時間メッセージが来ないことが正常な接続では、読み取りタイムアウトを設定しないままにするか、Timeoutを「まだ何も来ていない」印として扱ってループを続けてください。

サーバ側

ハンドラが受け取るws::WebSocketにもset_read_timeout()があります。ハンドラがread()で止まったままにならないので、上と同じ書き方で複数の接続の間をメッセージが中継できます。

サーバ側のデフォルトは「無期限」ではなく300秒(CPPHTTPLIB_WEBSOCKET_SERVER_READ_TIMEOUT_SECOND)です。WebSocketのハンドラは接続が続く限りワーカーを1つ占有するので、無言になったピアからワーカーを回収する保険として働きます。

この保険はハンドラが求めたタイムアウトではないので、Timeoutとしては返りません。経過するとread()はFailを返して接続を閉じるため、while (ws.read(msg))と書いたハンドラは従来どおりそこで終わります。Timeoutが返るのは、ハンドラ自身がset_read_timeout()で設定したタイムアウトだけです。

Ping/Pongによる無応答ピア検出は別の仕組みです。詳しくはW02. ハートビートを設定するを参照してください。

Clientとの違い

Clientのタイムアウト設定についてはC12. タイムアウトを設定するを参照してください。挙動とAPIはほぼ同じですが、WebSocketClientにはset_max_timeout()に相当するリクエスト全体のタイムアウトはありません。接続を確立したあとは、read()のループを回し続ける限り接続が維持されます。

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